【第26回】はるいちばん

u named (radica) Official FC 『us』

2025/09/23 23:11

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溜息を隠すほどには

もう少しかかりそうで

不満げに埋めた頬の

紅みが妙に愛しい

 

「瞬く間に」を繰り返して

貴方は歩いて行く

 

頁を捲る度に積み上がる

貴方の言の葉が右手にある

それがいつか閉じられる日を

怖がる春隣

 

どう、と鳴る。砂が立つ。目を伏せる。

裏側の涙を見せたくない

花よ、風よ

まだ止む勿れ

貴方は、はるいちばん

 

 

口ほどに物言う足音

騒がしいはずの寄り道

階段に足をかけた時、はたと気づく

片方、解けた紐

 

季節通り

走り去るなら

僕も連れて行け

 

何度巻き戻しても

そこに有る穴は

手を握る度に満たされた

花よ、風よ

まだ来る勿れ

貴方は、はるいちばん

 

 

何もわからないまま、聞けぬまま

これでさよならなんて言えないよ

だから歌を、詞を書きました

栞を忍ばせる

 

ふわり、巻き上がる葉に

見上げれば

そこに咲き誇る泣き笑い顔

花よ、風よ

まだ止む勿れ

貴方は、はるいちばん

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